皮膚科学の視点から見ると、人間の肌色は主に黒褐色のユーメラニンと赤黄色のフェオメラニンの比率、そして皮下の毛細血管を流れるヘモグロビンの赤み、皮下脂肪の黄色み(カロテノイド)の相互作用によって決まります。
日本人の皮膚に特別黄色い色素が単独で沈着しているわけではありません。18世紀にドイツの人類学者ブルーメンバッハが提唱した「五大人種分類」において、東アジア地域の人々が記号的に「黄色」と名付けられた歴史的背景が現在も定着しているに過ぎないのです。
遺伝的な研究によれば、東アジア人の皮膚色を決定づける遺伝子変異(OCA2遺伝子の多型など)は、ヨーロッパ人の色白をもたらす遺伝子(SLC24A5など)とは独立して独自に進化したことが判明しています。つまり、日照量の少ないユーラシア大陸東部へ移住した祖先が、紫外線からビタミンDを効率よく合成するために独自ルートで肌の明度を高める遺伝的進化を遂げた結果が、現在の日本人の肌色なのです。