この場所が秘める最大の謎と神威は、拝殿の奥深くに隠されている。社殿の背後に立ちはだかる巨大な奇岩「妙義山轟岩」こそが、神が降り立ったとされる御神体そのものだ。驚くべきことに、ここには建造物としての本殿が存在しない。巨岩をそのまま神として仰ぐ構造は、自然物への信仰を基盤とする古代神道の純粋な姿を色濃く残している。
社伝によると、かつて東征の途上にあった日本武尊がこの地を訪れ、轟岩から放たれる凄まじい神威に感銘を受けて神々を祀ったことが起源とされる。何千年もの時を超えてなお、風雪に耐えぬく巨岩の前に立つと、太古の記憶が色鮮やかに蘇る感覚を覚えるだろう。