地球が最も冷え込んだとされる最終氷期(極寒期)、この地はトウヒを中心とする針葉樹林に覆われていた。当時の仙台平野は現代のシベリアや北海道を思わせる厳寒の気候であり、幾重にも重なる河川の氾濫と低湿地特有の条件が奇跡の素地を作り上げた。
粘土質の微粒子が泥炭層とともに遺構全体を隙間なく密閉し、酸素の供給を完全に遮断。これにより有機物を分解する微生物の繁殖が抑え込まれた。樹木の根や幹はもちろん、鹿の糞、さらには微小な花粉に至るまで、当時の生態系が丸ごと真空パックされたかのように保存されるに至ったのだ。