暴排の動きが社会全体へと波及するにつれ、メディアの側からも従来の事件報道を超えた新たな視点が提示されるようになった。過熱する排除の動きと個人の基本的人権の狭間で揺れる現場に光を当てたのが、既存の報道ジャーナリズムの枠組みに一石を投じた社会ドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』である。
映画は、法律の強化によって家族の口座開設や子供の保険加入すら制限されるという実態を克明に描いた。反社会的勢力の根絶という社会的正義と、憲法が保障する人権との緊張関係は、単なる善悪の二元論では語り尽くせない複雑な課題を視聴者に突きつけている。