独立後のキャリア形成において、対極とも言える鮮やかな成功例を示したのが膳場貴子と神田愛花だ。NHK時代から卓越したアナウンス力と冷静沈着な佇まいで知られた膳場貴子は、民放移籍後もTBS系『NEWS23』や『サンデーモーニング』など、看板となる報道・情報番組のアンカーとして不動の地位を築いた。ジャーナリズムの精神を損なうことなく、民放の自由度を巧みに取り入れながらニュースの深層に迫るその姿勢は、後進の女性キャスターたちにとって最高峰のロールモデルとなっている。
一方で、従来の元NHK像を痛快なまでに打ち破ったのが神田愛花である。フジテレビ系昼の生帯番組『ぽかぽか』で見せる予測不能なトークや、飾らないキャラクターはバラエティ界に強烈なインパクトを与えた。確固たるアナウンス技術という土台があるからこそ、突飛な言動も単なる悪ふざけにならず、一流のエンターテインメントとして成立する。知性とユーモアのギャップを最大の武器に変えた神田のブレイクは、局アナ出身者の活躍のフィールドを一気に押し広げた。