亜麻仁油とえごま油を同類として扱いがちな最大の理由は、どちらも「オメガ3系脂肪酸」を豊富に含む点にある。しかし、その原料をたどれば全く異なる植物に突き当たる。
亜麻仁油の原料は、古代エジプト時代から栽培されてきたアマ科の植物「アマ(Flax)」の種子だ。歴史的には衣服の麻布(リネン)としても重宝されてきた繊維植物であり、その種子から抽出されるオイルには独特のコクと深みがある。一方、えごま油の原料は「エゴマ」というシソ科の1年草の種子だ。名前に「ごま」と付くもののゴマ科とは無関係で、大葉(紫蘇)の近縁種にあたる。古くから日本を含む東アジア各地で食用や灯火用として親しまれてきた歴史を持つ。
植物としての分類が異なるということは、オイルの中に含まれる脂肪酸以外の二次代謝産物(ポリフェノールやリグナンなど)の成分構成が大きく異なってくることを意味する。ここが、両者を比較する上での第1の分かれ目だ。