英語圏で最も一般的な生物学上の対訳は「Japanese raccoon dog」だ。しかし、この名称には大きな落とし穴が存在する。欧米の人々が「raccoon(アライグマ)」という言葉を聞いた瞬間に思い浮かべるのは、都市部でゴミ箱を荒らす害獣や、気性の荒い野生動物のイメージだ。
北米のSNSやコミュニティでは、「たぬきはアライグマの一種なのか?」「犬の仲間なのか?」という混同から生じる議論が後を絶たない。実際、イヌ科(Canidae)に属するタヌキと、アライグマ科(Procyonidae)のアライグマは全く異なる生物である。学名由来の「Tanuki」をそのまま固有種として提示し、「イヌ科でありながらアライグマに似た姿を持つ、東アジア原産の動物」と補足するのが、現地で最も混乱を避ける賢明な方法だ。