展示室の鑑賞を終えた後に広がる庭園は、起伏に富んだ地形を生かした都会のオアシスだ。園内には茶室「弘仁亭・無事庵」をはじめとする風情ある茶室群が点在し、石仏や灯籠が木漏れ日の中にたたずむ。春の瑞々しい新緑、秋を彩る深紅の紅葉、そして初夏の水辺など、季節の移ろいをファインダーに収める時間は格別の贅沢といえる。
庭園撮影で留意すべきは、飛び石や未舗装の細道が多い点だ。カメラのモニターやスマートフォンの画面に夢中になるあまり、足を踏み外して植栽を傷つけたり、茶室の結界内へ無断で侵入したりする行為は厳に慎まなければならない。静かな自然の営みと歴史的建造物を守る意識こそが、心地よい撮影体験を支えている。