言葉の成り立ちを紐解くと、朝鮮王朝第4代国王である世宗大王が民のために創製したハングルの豊かな造語力が浮かび上がる。「ヨボセヨ」の語源は、「ここ(여기・ヨギ)」と「見てください(보세요・ボセヨ)」が結びつき、時代を経て音韻変化を起こした「ヨギボセヨ(여기 보세요)」にあるとされている。
言語政策を担う国立国語院の資料などを見ても、相手の視線や意識を自分に向けさせるための呼びかけ表現が、近代以降の通信技術の発達とともに電話応答の定型句として定着していった経緯がわかる。かつて民衆の意志を伝えるために生まれた文字体系が、テクノロジーの進化と手を取り合いながら、現在の口語表現へと形を変えていった歴史的背景には実に興味深いものがある。