記憶に新しい2024年度日本銀行券改刷事業から時が経ち、街を行き交う紙幣の顔ぶれはすっかり様変わりした。国立印刷局の精緻な技術によって世に送り出された新一万円札、すなわち実業家・渋沢栄一の肖像画が刷られた紙幣は、今や流通の大半を占めている。
日本銀行が発行する新紙幣が出回り始めた当初こそ、「結婚祝いに誰の肖像を包むべきか」「旧札の福澤諭吉のほうが無難なのではないか」といった議論がブライダル関係者の間で飛び交った。しかし現在、そうした迷いは過去のものとなりつつある。近代日本経済の礎を築いた渋沢の肖像は、むしろ「富の繁栄」や「新たな門出」を象徴する縁起物として、現代のブライダル産業でも歓迎されているのが実情だ。
問題は肖像の人物ではない。肝心なのは、手元にあるその紙幣が「パリッとした未使用状態」であるかどうかだ。