発表直後の14時過ぎ、マスメディア業界の報道合戦は熾烈を極める。テレビ各局は午後の情報番組を京都からの中継に切り替え、新聞社は夕刊の1面トップを飾る号外を手配する。この熱気は即座に出版・教育業界へと波及していく。漢字ドリルや漢和辞典の売れ行きが刺激され、全国の小中学校や学習塾では「自分自身の今年の一文字」を作文や書道で表現させる特別授業が一斉に組まれる。
もはや一過性のニュースにとどまらず、年末世相行事の確固たる柱として社会インフラ化したこのイベントがもたらす経済波及効果は数十億円規模とも試算される。言葉という無形の文化財が、メディアや教育現場を巻き込みながらこれほど巨大な求心力を持つ国は、世界を見渡しても極めて珍しい。