猛毒が肉体を蝕み始めたとしても、童磨が繰り出す大技の威力は絶大でした。自らの崩壊を悟った童磨は、巨大な氷の仏像を作り出す大技「御手・改菩薩(むひょう・かいぼさつ)」を発動させ、自立攻撃を行わせながら部屋からの離脱を図ります。
ここで命を燃やしたのが、胡蝶しのぶの意志を継いだ栗花落カナヲと、母・琴葉の命を奪われた過去を知った嘴平伊之助の2人でした。
カナヲは失明のリスクを背負いながら、動体視力を限界まで高める秘伝の技「花の呼吸・終ノ型 緋桜朱眼(ひおうしゅがん)」を発動。霧氷の猛攻を紙一重で見切り、溶解して脆くなった童磨の頸へ刃を喰い込ませます。しかし、筋力の限界によりあと一歩刃が通り抜けません。
その危機を救ったのが伊之助の乱入でした。伊之助は己の関節を外して攻撃範囲を伸ばす変則技「獣の呼吸・思いつきの 投げ裂き」を繰り出し、カナヲの刀の背を自らの刀で力任せに打ち込みます。姉を想うカナヲの執念と、母の愛を知った伊之助の怒りが合一した瞬間、ついに上弦の弐の分厚い頸が宙を舞いました。