日本のファストフード界において、ポテトの嗜好は「マクドナルド派」と「モスバーガー派」で美しく二極化しています。この分断を生み出す根源は、各社が採用するカット規格と揚げ油の設計思想にあります。
マクドナルドのマックフライポテトが約6mm角の「シューストリング(靴ひも型)」カットであるのに対し、モスバーガーのフレンチフライポテトは肉厚な「ストレート(太切り)」カットを採用しています。原材料と産地については、両社ともに寒暖差が大きく良質なジャガイモが収穫できる北米(アメリカ・カナダ)産のラセットバーバンク種などを主原料としていますが、モスバーガーはジャガイモ本来のホクホクとした水分と粉質感を残すため、あえて皮付きに近い厚みを持たせています。
さらに決定的なのが揚げ油の配合です。マクドナルドが牛脂とパーム油をブレンドした特製油で特有の動物性コクとサクサクした香ばしさを生み出しているのに対し、モスバーガーは植物性油脂を中心としたブレンド油を使用しています。余計な油っぽさを抑え、味付けも「パタゴニアソルト」など自然由来の塩でシンプルに仕立てられているため、油焼けによる胃もたれが起きにくく、ジャガイモ本来の素朴な甘みがダイレクトに伝わる構造になっています。