過去の過ちやプライベートな情報流出は、本人が忘れた頃に突如として人生の重大な局面を破壊します。調査現場で特に顕著なのが、就職・採用調査への影響です。総合探偵社や採用スクリーニングを専門とする調査会社の幹部は、取材に対して次のように現場の内情を打ち明けます。
「現在の企業採用では、応募者の提出書類だけを見る時代は終わりました。専用のAIスクリーニングツールを用い、氏名や電話番号、過去のメールアドレスから裏アカウントや過去の掲示板投稿を特定する作業が標準化されています。新卒採用であっても、過去のバイトテロ損害賠償責任に関与した形跡や、他人を誹謗中傷した記録が発見されれば、企業のリスク管理上、最終選考で理由を告げずに落とすのが鉄則です」
実害は採用市場にとどまりません。近年相談が急増しているのが、結婚前の身辺調査リスクです。結婚相手の親族から依頼を受けた調査機関が素元調査を行う際、真っ先に洗われるのがWeb空間のアーカイブです。数年前に交際相手から拡散されたリベンジポルノ被害の残骸や、過激な愚痴アカウント、過去の金銭トラブルや逮捕歴の痕跡が明るみに出た結果、婚約破棄へと発展する事例が後を絶ちません。被害に遭った当事者には落ち度が一切ないケースであっても、親族間の猜疑心を生み、人生の幸福な瞬間が一転して暗転する残酷な現実が横たわっています。