被子植物の多くは、効率よく受粉を行うために洗練された「花のつくり」を持っています。外側から順に「がく」「花弁(かべん)」「雄しべ(おしべ)」「雌しべ(めしべ)」の4つのパーツが同心円状に配置されているのが基本形です。
雄しべの先端には「やく」と呼ばれる小さな袋があり、ここに大量の花粉が入っています。一方、中心に鎮座する雌しべの先端は「柱頭(ちゅうとう)」と呼ばれ、花粉がくっつきやすいように粘着液で湿っています。
受粉の仕組みは極めて精巧です。昆虫や風によって柱頭に花粉が付着すると、花粉から「花粉管(かふんかん)」という細いくだが伸び始めます。花粉管は雌しべの中をぐんぐん進んで子房内の胚珠に到達し、精細胞を送り届けて受精が成立します。この無駄のない受精システムこそが、被子植物が多様な環境へ適応できた原動力です。