セルフ縮毛矯正に挑戦した人が最も後悔する瞬間が、薬剤を洗い流して乾かした直後に現れる「チリチリ毛(ビビリ毛)」です。毛先がホウキのように硬化し、指を通すことすらできなくなるこの現象には、セルフ縮毛矯正が痛む決定的な理由が明確に存在します。
縮毛矯正のメカニズムは、1剤に含まれる還元剤(チオグリコール酸など)で髪の骨格であるシスチン結合を切り離し、熱アイロンで物理的にまっすぐに整え、2剤の酸化剤(過酸化水素や臭素酸ナトリウム)で再結合させるという極めて高度な化学処理です。市販の縮毛矯正剤は、極太の剛毛から細い軟毛まであらゆる髪質に対応できるよう、総じて「薬剤のパワー(アルカリ度および還元剤濃度)」が強めに設計されています。
プロの美容師であれば、根元の新生毛と毛先のダメージ毛で薬剤の強さを塗り分け、1分刻みで軟化状態(髪の弾力低下)をチェックします。しかしセルフの場合、ダメージが蓄積した毛先にも強アルカリの1剤がベッタリと付着し、適正時間を超えて放置されがちです。これにより毛髪内部のタンパク質が過剰に流出し、コルテックスがスカスカになった状態で高熱アイロンを当てることで、タンパク変性(炭化)を起こして修復不能なビビリ毛へと転落します。
さらに見落とされがちなのが「根元折れ」のリスクです。頭皮近くからべったりと1剤を塗布してしまうと、髪の根元が直角に折れた状態で固定され、数週間後にそこからブツブツと断毛する深刻なトラブルに発展します。