エッグヘッド編のクライマックスで描かれた鉄の巨人「エメト」の散り際は、読者の涙を誘うと同時に、ジョイボーイという個人の規格外の強さを決定づけました。
五老星の全員が怪異の姿を現し、ルフィたち麦わらの一味を絶体絶命の危機に追い詰めた瞬間、エメトは体内に隠されていた「結び目」を解きました。そこに込められていたのは、ジョイボーイ自身が生前に封印した最大威力の「覇王色の覇気」でした。解き放たれた黒い稲妻は島全域を覆い尽くし、並みいる海軍中将たちを一瞬で昏倒させ、五老星の異様な召喚術を強制解除させて聖地マリージョアへ送り返すという、作中前代未聞の威力を発揮しました。
その際、エメトの回想として流れたジョイボーイの言葉は、彼の人間性を鮮烈に物語っています。
「そうだ!!!"過去"からおれがお前を助ける!!いつだってそうだろ!!?」
自らの死期、あるいは文明の敗北を悟りながらも、遠い未来に生きる親友の窮地を救うために覇気を遺したジョイボーイ。マリージョアの花の間にいたイム様が、その覇気を浴びて冷や汗を流し、激しい怒りと恐怖のあまり床に膝をついた場面は、かつて彼らがジョイボーイに対して抱いていた計り知れない畏怖を何よりも雄弁に物語っています。