多くのアブ咬傷は局所の処置で寛解へ向かうが、稀に生体が過剰な免疫応答を起こすことがある。厚生労働省や日本救急医学会が警鐘を鳴らすように、昆虫刺咬による「アナフィラキシーショック」は生命を脅かす急性病態だ。
噛まれた部位以外の全身にじんましんが広がる、唇や喉の奥が腫れて息苦しさを感じる、声がかすれる、激しい腹痛や嘔気、めまい、血圧低下による意識混濁などが現れた場合、一刻の猶予もない。即座に119番通報を行い、救急搬送を要請する必要がある。
全身症状がなくとも、翌日以降に赤みが手のひらサイズ以上に拡大している場合や、熱感を伴う強い硬結がある場合、水ぶくれが破れてジュクジュクしている場合は、迷わず専門の皮膚科を受診したい。医療機関では、症状の重症度に応じた医療用ステロイドの処方や、二次感染に対する抗菌薬の投与など、確実な治療介入が受けられる。