アイロンパーマとは、還元剤と呼ばれる薬剤で髪の内部結合(シスチン結合)を切断した後、特殊な専用アイロン(四角形や六角形などの多角形ロッド)を用いて熱を加えながらカールや毛流れを固定するパーマ技術を指します。美容室で主流となっているコールドパーマがロッドを巻いた状態で薬剤処理を完結させるのに対し、アイロンパーマは「熱処理による形状記憶」を工程に挟む点が最大の違いです。
この工程の差は、スタイリングにおける毛髪の挙動に正反対の性質をもたらします。一般的なコールドパーマは髪が水分を含んでいる濡れた状態でもっとも強くウェーブが現れ、ドライヤーで乾かすにつれてカールが伸びて緩やかになります。対してアイロンパーマは、髪が乾いた瞬間にアイロンで熱記憶させた形状がピタッと蘇る物理特性を持ちます。したがって、朝起きてシャワーを浴びた後、ドライヤーの風を適当に当てるだけで狙ったシルエットが自動的に完成します。この再現性の高さこそが、アイロンパーマとコールドパーマの違いにおける最大の決定打です。
毛髪科学の視点から見ると、アイロンパーマはジスルフィド結合の再結合だけでなく、熱による水素結合の固定とタンパク質の微細な熱変性を利用しています。縮毛矯正と原理は同じであり、縮毛矯正が「熱で真っ直ぐに固定する」技術であるのに対し、アイロンパーマは「熱で曲げて固定する」技術と捉えると構造が極めて明快になります。