ネット上の情報やインフルエンサーの発信には、現場のプロから見ると重大な誤解を生む言説が少なくありません。施術を受ける前に知っておくべき決定的な真実を3点整理します。
まず1点目は、「マツエクとマツパは同時にできるのか」という疑問です。「パーマでくるんと上げてから、エクステで長さを足せば最強なのでは」と考える方は非常に多いですが、基本的に一般的なまつ毛パーマと従来のマツエクの即日同時施術は業界の安全基準として行われません。パーマによってキューティクルが開き、表面が変質した自まつ毛には、マツエク用のグルーが均一に密着せず、早期脱落や毛折れを引き起こすためです。近年は「パリエク」と呼ばれる特殊な同時施術対応の技術も登場していますが、高度な技術と自まつ毛の頑丈さが求められるため、取り扱いサロンの厳格な選定が必要です。
2点目は、「マツパはパーマ液を使うからマツエクより痛む」というステレオタイプです。一見すると薬剤によるケミカルダメージが大きく思えますが、マツエクもまた、長期間にわたり人工毛の重量と摩擦による負荷を自まつ毛の毛根(毛乳頭)に与え続けます。この物理的負荷は、自まつ毛が細く短くなっていく「牽引性脱毛」に似たリスクを孕んでいます。つまり、毛先への化学的ダメージ(マツパ)か、毛根への物理的負荷(マツエク)かという違いであり、どちらか一方が一方的に無傷であるという事実は存在しません。
3点目は、施術直後のケアに関する水濡れ制限時間です。サロン現場の指針によると、マツエクのシアノアクリレート系グルーが完全に内部硬化するまでには約5〜6時間の乾燥時間が必要です。対してまつ毛パーマの場合は、施術後3〜4時間程度を置けば洗顔や入浴が可能とされています。施術中に針で刺すような強い痛みを感じることは双方ともに基本的にありませんが、施術直後のデリケートな時間帯の扱いを誤ると、持ちの期間は半減してしまいます。