1月26日は、近代都市の景観と社会インフラの面でもエポックメイキングな出来事がありました。1959年(昭和34年)1月26日、東京都千代田区の日比谷交差点から丸の内周辺にかけて、日本初となるパーキングメーターが283基設置されました。これを記念して「パーキングメーターの日」に制定されています。
当時の日本は岩戸景気に沸き、自家用車や商用車の普及が爆発的に加速していた時代です。それに伴い、都心部の道路は終日無秩序な路上駐車で埋め尽くされ、消防車や救急車の通行を妨げる重大な社会問題となっていました。15分単位で小銭を投入し短時間の駐車スペースを公平にシェアするという仕組みは、都市空間の秩序化と合理的な時間管理の概念を日本人に定着させる契機となりました。現在ではキャッシュレス決済やセンサー管理へと形を変えながらも、その精神は都市交通工学の基礎として息づいています。
一方、国際社会に目を向けると、1月26日はオーストラリア最大の祝日である「オーストラリアの日(Australia Day)」です。1788年1月26日、イギリス海軍のアーサー・フィリップ船長率いる「第1艦隊」がシドニー湾(シドニー・コーブ)に到達し、イギリス国旗を掲げて入植を開始したことに由来します。国中でバーベキューやコンサート、花火が催される華やかな祝祭日である一方、この日は先住民であるアボリジナルピープルにとっては数万年に及ぶ祖霊の地を奪われ、虐殺と文化破壊が始まった「侵略の日(Invasion Day)」や「生存の日(Survival Day)」でもあります。
近年では、シドニーやメルボルンなどの主要都市で大規模な抗議デモが行われ、大手スーパーマーケットが祝日関連グッズの取り扱いを取りやめるなど、「祝日をすべての人々が祝える別の日へ変更すべきではないか」という議論が社会全体で白熱しています。1つの記念日が持つ光と影を直視することは、多様性を尊ぶ現代社会において極めて示唆に富む視点といえます。