時透無一郎の死亡シーンは、単行本第21巻の第179話「兄を思い弟を思い」に収録されています。戦いそのものは第19巻の終盤(第165話)から始まっており、黒死牟との激突から落命に至るまで、実に単行本3巻分、話数にして15話以上にわたる壮大な死闘が繰り広げられました。
無限城の深部で最初に黒死牟と対峙した無一郎は、自らの祖先にあたる最強の鬼を前に、かつてないプレッシャーに晒されます。霞の呼吸の技を次々と繰り出すものの、黒死牟の圧倒的な膂力と「月の呼吸」の前に左手首を瞬時に切断され、自身の愛刀によって柱に串刺しにされるという絶望的な痛手を負いました。その後、不死川玄弥、不死川実弥、そして岩柱・悲鳴嶼行冥が合流し総力戦へと移行するなか、無一郎は自力で拘束を脱出し、失血死寸前の身体を引きずって再び前線へと身を投じます。
少年漫画の歴史においても類を見ない凄惨な負傷を重ねながら、無一郎は最後に黒死牟の胴体へ刃を突き刺し、命の炎を燃やし尽くして刀を赤く染め上げました(赫刀の発現)。黒死牟を打倒した直後、駆け寄った実弥と行冥の前で、すでに息絶えていた無一郎の姿が確認されます。公式ファンブック『鬼殺隊見聞録・弐』などの記録でも明らかな通り、享年わずか14歳。鬼殺隊の現役柱のなかで最年少の戦死でした。