側頭部を押したときの痛みが「右側だけ」「左側だけ」と左右どちらかに偏っている場合、痛みの引き金となっている生活習慣や病態を推測する大きな手がかりになります。
日常診療で多く見られるのが、無意識の片噛み癖や頬杖、スマートフォンの片手操作に伴う姿勢の歪みです。片側の側頭筋ばかりに過剰な負荷がかかると、その部位にトリガーポイントと呼ばれる硬いしこり状の筋硬結が形成され、指で押した際に強い痛みが走ります。また、就寝中の歯ぎしりや食いしばりによる顎関節症が側頭部の痛みの原因となっているケースでは、耳の前からこめかみにかけての片側に限局した圧痛が目立ちます。
一方で、左右どちらかの血管がミミズのように浮き出て触ると痛むような状態であれば、局所的な血管炎を疑う必要があります。片側性だからと軽視せず、左右差がなぜ生じているのかを見極める視点が欠かせません。