熱海を訪れる観光客が最も誤解しやすいのが、「食べ歩き」という言葉の解釈です。テレビやSNSで「食べ歩きグルメ」として紹介されるため、歩道を行き交いながら串やアイスを口にする姿を想像しがちですが、現在の熱海市街地では大きなトラブル要因となっています。
幅の狭い商店街アーケードで歩行中に熱い串物やソースのついた練り物を口にすると、他人の衣服を汚したり、小さなお子様と接触して火傷を負わせたりする危険性が生じます。さらに容器のポイ捨て問題が深刻化したことを受け、各商店街振興組合や店舗は「購入した店舗の前の指定スペースやイートイン、ベンチに腰掛けて飲食を終えてから移動する」という利用ルールを強く呼びかけています。食べ歩きとは「街のグルメを食べ継ぐ散策」のことであり、「歩行しながらの飲食」ではないという認識が、成熟した大人の旅行者には不可欠です。
また、熱海温泉の食べ歩き混雑状況には明確な波が存在します。新幹線や特急踊り子号が次々と到着する11:30から14:30が1日の中で最も混雑が激化する時間帯です。この時間帯に駅前の人気店へ突撃すると、1店舗ごとに長時間の待機を強いられ、移動だけで疲弊してしまいます。
混雑を回避するための絶対的な鉄則は、行動パターンの逆張りです。午前10:00前の早い時間帯に熱海へ到着して駅前商店街の散策をスタートさせるか、あるいは到着直後に荷物を預けて一気に熱海銀座や海辺のサンビーチ方面へ下り、ランチやスイーツを先行して楽しんだ後、帰路につく15:30以降に駅前商店街へ戻ってくるルートを選ぶことで、行列の待ち時間を劇的に圧縮できます。