生活習慣の改善やセルフマッサージを数ヶ月継続しても溝が浅くならない場合、シワはすでに「皮膚組織の陥凹」あるいは「骨格の構造的な窪み」として固定化しています。この段階では、美容医療の介入が極めて現実的な選択肢となります。
代表的な処置が、片側を中心としたヒアルロン酸注入です。両側に同量を注入するのではなく、左右差を綿密に計測し、深い側に0.5cc〜1.0cc程度を注入してバランスを整えます。真皮下層から皮膚を持ち上げることで、影を瞬時に消し去る効果が期待できます。
さらに注目されているのが、小鼻の付け根の凹みを持ち上げる「貴族フィラー(小鼻基部形成)」です。アジア人は上顎骨の骨格上、片側の小鼻の付け根が生まれつき深く落ち込んでいる人が多く、これが片側ほうれい線の決定打になっている例が多々あります。骨膜上に適正な硬さの製剤を注入することで、小鼻の脇の溝を根本から底上げし、上品な口元を再構築します。
ただし、顔面動脈が近傍を走る繊細なエリアであるため、血管塞栓や左右の過剰補正を避ける解剖学的知識を持った専門医の選択が不可欠です。