「売上が落ちたソシャゲはいずれ畳まれる」という一般的な市場の常識が、白猫プロジェクトにそのまま当てはまらないのには、ゲーム業界特有の構造的背景があります。ネット上で語られることの少ない、白猫が終了しない3つの決定的な理由を紐解きます。
第1に、自社パブリッシング・自社IPによる極めて高い利益率です。版権モノ(アニメや漫画原作)のソーシャルゲームは、売上の中から莫大なロイヤリティ(IPホルダーへのライセンス料)を支払わなければならず、月商が1億円を切ると途端に赤字転落してサービス終了に追い込まれます。対して白猫は完全なオリジナルIPであるため、外部への上納金が発生しません。さらに長年のノウハウ蓄積により開発アセットが共通化されており、損益分岐点が他社タイトルに比べて圧倒的に低く設定されています。
第2に、グッズ展開やコラボレーション、リアルイベントによる複合的なIP収益です。白猫のキャラクターたちは10年以上の歴史の中で強固なファンコミュニティを形成しており、ゲーム内課金だけでなくアパレル、フィギュア、コラボカフェなどの周辺ビジネスが堅実に利益を生み出し続けています。ゲーム本体を「IPの熱量を維持するプラットフォーム」として位置付ければ、多少課金圧を緩めても会社全体として黒字を担保できる計算が成り立ちます。
第3に、コロプラ社内における「象徴的フラッグシップ」としての存在意義です。同社は『ドラゴンクエストウォーク』等の受託・共同開発タイトルで巨大な収益を上げていますが、東証プライム上場企業として「自社オリジナルの代表作」を維持することは企業価値や採用活動、株主へのブランディングにおいて不可欠です。白猫のサービス終了はコロプラというブランドの根幹を揺るがすメッセージになりかねないため、経営陣としても極限まで延命・継続させる動機が働きます。