「病院に行くまでの間、どうしても爪を整えたい」「日常生活でこれ以上爪を厚くしたくない」という場合、適切な自己ケアの作法を知らなければ状況を悪化させます。テコの原理を利用した一般的なクリッパー型爪切りで厚い爪を挟み込み、力任せにバチンと切断しようとする行為は自殺行為です。硬化した爪が縦に割れて深爪を引き起こし、そこから細菌感染(蜂窩織炎など)を起こして足全体が腫れ上がる危険があります。
自宅でのケアで必須となるのが、足の爪が切れないニッパーの導入と肥厚爪やすり削り方のマスターです。以下の手順を忠実に守ってください。
- 入浴後、爪を十分に軟化させてからケアする: 乾いた状態の肥厚爪は極めて硬く、脆い状態です。38〜40度程度の湯船に15分以上浸かるか、足湯で足先を温め、水分を含ませて爪を柔らかくしてから手入れを開始します。
- 平らな「粗目ネイルファイル(やすり)」で表面から削る: 最初から切ろうとしてはいけません。100〜180グリット程度の目の粗いステンレス製または人工ダイヤモンド製やすりを用意し、爪の表面を「一定方向」に優しく滑らせて、爪の厚みそのものを削り落としていきます。往復がけをすると摩擦熱で爪が傷みやすいため注意してください。
- 爪切り専用ニッパーで端からミリ単位で切り進める: 厚みをある程度落とした後、刃先がカーブした医療・介護用ニッパーを用います。一度に大きく切るのではなく、爪の端から1〜2ミリずつ、少しずつ刃を入れて切り進めます。
- 仕上げは「スクエアオフ」の形状を維持する: 最も重要な肥厚爪の正しい切り方の鉄則は、角を深く丸く切り落とさないことです。爪の先端を直線状に整え、両端の角だけやすりで軽く丸みを帯びさせる「スクエアオフ」に仕上げます。深爪をすると皮膚が盛り上がり、次に生えてくる爪が再び前進できなくなって肥厚が加速します。