太もも内側がピリピリ痛い原因は?帯状疱疹や閉鎖神経痛の危険信号

太もも内側がピリピリ痛い原因は?帯状疱疹や閉鎖神経痛の危険信号

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太ももの内側がピリピリ・チクチクと痛む際、まず疑うべきは末梢神経の絞扼(圧迫や牽引)、あるいは知覚神経そのものの急性炎症です。一般的な筋肉痛であれば「鈍い重だるさ」や「押したときの圧痛」が主体となりますが、電気が走るような鋭さや皮膚表面の過敏さを伴う場合、高確率で神経伝達経路に障害が生じています。臨床現場で特に多い3大疾患を掘り下げます。

第1に警戒すべきは帯状疱疹太もも初期症状です。水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は、幼少期に感染した水ぼうそうが治癒した後も脊髄後根神経節に生涯潜伏し続けます。過労や加齢、過度の精神的ストレスによって免疫力が低下するとウイルスが再活性化し、神経線維に沿って炎症を起こしながら皮膚へと向かいます。この「神経を侵しながら皮膚表面へ移動している数日間」は、皮膚に発疹や赤みが一切出ないにもかかわらず、皮膚表面を服がかすめるだけでピリピリ・ヒリヒリ激痛が走るという特有の症状(アロディニア=異痛症)を呈します。

第2に挙げられるのが、解剖学的に太もも内側を支配する閉鎖神経痛および伏在神経痛です。閉鎖神経は腰椎(L2~L4)から骨盤内を通り、閉鎖孔という骨盤のすき間を抜けて太もも内転筋群とその皮膚感覚を支配しています。この神経が股関節の変形、骨盤内の腫瘍、あるいは高齢女性に好発する「閉鎖孔ヘルニア」によって圧迫されると、太もも内側から膝にかけて激烈なピリピリ感やしびれを引き起こします。一方、伏在神経は大腿神経から分岐して太もも内側の筋膜トンネル(内転筋管=ハンター管)を通過するため、長時間のデスクワークやランニングによる筋膜の拘縮で挟み込まれ、太もも内側遠位からすねの内側にかけてピリピリとした痛みを放散させます。

第3に、脊柱の変性疾患である腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症です。下肢の神経痛といえば「坐骨神経痛」が広く知られていますが、坐骨神経はお尻から太ももの「裏側や外側」を下る神経です。太ももの「内側から前面」の知覚を担っているのは腰椎の上位(L2・L3・L4神経根)から出る神経であり、これらがヘルニアによって圧迫されると、いわゆる大腿神経痛症状として太もも内側に突き刺すようなピリピリ感や感覚麻痺が生じます。

小林 直樹
著者

小林 直樹

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