水分を溜め込むだけでなく、プロゲステロンには内臓の平滑筋を弛緩させる作用があります。この作用は子宮が無用に収縮して受精卵を排出してしまうのを防ぐための防衛反応ですが、隣接する胃や大腸の筋肉まで一緒に緩めてしまいます。その結果、腸の蠕動運動低下が引き起こされます。
大腸の動きが鈍ると、便が腸内に長時間とどまり、水分が過剰に吸収されて硬化します。これが生理前に多くの女性を苦しめる頑固な便秘の原因です。さらに、停滞した便が腸内細菌によって異常発酵を起こし、大量のメタンガスや炭酸ガスを発生させます。ガスが逃げ場を失って腸管を内側から風船のように膨らませるため、外見上も下腹がポコッと突き出てしまうのです。
加えて見逃せないのが、生理前の骨盤の開きと下腹部太りの関連性です。排卵期以降、女性の骨盤は経血を排出しやすい状態へ向けて徐々に緩み始めます。骨盤を支える靭帯や骨盤底筋群が緩むと、本来の位置にあった大腸や小腸などの内臓が重力に抗えず、数センチ単位で下垂します。下垂した内臓がガスや便で膨満した腸と合わさることで、下腹部だけが極端に押し出される構造的要因が完成します。