ムカデ咬傷に対する自己処置と医療機関受診の境界線は、個人の健康状態や刺された状況によって冷徹に切り分ける必要があります。自己判断による過信は組織の壊死や細菌感染症を招く引き金となります。
自宅療養(市販薬対応)をおすすめできる人の条件
- 刺されたのが人生で1回目であり、アレルギー体質(重度の喘息やアトピーなど)がない成人。
- 刺咬から30分以上が経過しても、局所の痛みと赤み以外に全身症状(息苦しさ、めまい、広範囲の発疹)が一切ない場合。
- ストロングランク以上のステロイド軟膏を所持しており、清潔な流水処置を迅速に行えた環境。
直ちに皮膚科・医療機関を受診すべき人の条件(慎重派・要受診)
- 過去にムカデや蜂に刺された経験がある人:アナフィラキシーの潜在的リスクが跳ね上がっています。
- 乳幼児・高齢者:皮膚が薄く組織障害が深部に達しやすいほか、全身状態の急変を自己申告できないリスクがあります。
- 首・顔面・指先などの関節部を刺された場合:神経障害や腱鞘炎、局所の循環障害を合併する恐れがあります。
- 刺されて数日後に赤みが急速に拡大し、熱感と痛みが再燃した場合:傷口から黄色ブドウ球菌などが侵入し、「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」という重い細菌感染症を起こしている兆候です。抗生物質の内服が不可欠となります。
再発を根絶する室内駆除と侵入防止の要諦
ムカデはわずか数ミリの隙間があれば屋内に侵入してきます。駆除対策として最も効果的なのは、建物の外周を取り囲むように粉末状・粒状の殺虫バリア剤(ビフェントリンやペルメトリン等のピレスロイド系薬剤)を幅5〜10cmで帯状に散布することです。
また、侵入ルートとなりやすいエアコンのドレンホース先端に防虫キャップを取り付けること、サッシの網戸の隙間テープ貼り、床下の通気口への金網設置を徹底してください。ムカデの主食はゴキブリやクモなどの他の昆虫であるため、室内の総合的な害虫駆除を並行して行うことが、住空間をムカデの脅威から根本的に守る最善策となります。