全国的なブームとなった恵方巻ですが、その発祥と歴史には複数の説が存在します。代表的な起源として知られるのが、江戸時代末期から明治時代にかけての大阪・船場(せんば)の商人文化です。
当時、花街や商人街で節分の日に商売繁盛や無病息災を願って太巻きを丸かじりする風習が生まれました。巻き寿司を「福を巻き込む鬼の金棒」に見立て、それを退治するように丸ごと平らげることで邪気を払うという意味合いが込められていたのです。
また、海苔問屋や寿司組合による販促キャンペーンが昭和中期から後期にかけて展開され、1990年代後半に大手コンビニチェーンが「恵方巻」と名付けて全国展開したことで、一気に国民的行事へと進化を遂げました。「無言で食べる」というルールも、商談成功や家内安全の祈願中に雑念を排し、神仏に一心に願掛けをする厳粛な所作から生まれたと解釈されています。