当時の写真やドラマのアーカイブ映像を振り返ると、まず目を奪われるのが公称183cmという圧倒的な高身長とスラリと伸びた長い脚です。昭和40〜50年代の日本人成人男性の平均身長が160cm台半ばから170cm前後だった時代において、180cmを超える長身と小顔のバランスはまさに破格の存在感を放っていました。
宮城県女川町で生まれ育った中村雅俊は、県立石巻高校を経て慶應義塾大学経済学部へ進学。大学時代はESS(英語会)で英語劇に熱中し、卒業を控えた1973年に名門「文学座附属演劇研究所」の第13期生として入所します。知性と恵まれた体躯、そしてどこか人懐っこく温かみのあるマスクを併せ持った彼は、瞬く間に演劇界の注目株となりました。
ただ整っているだけでなく、飾らない素朴さと男性的な逞しさが同居したルックスは、当時の若者たちにとって憧れの象徴であり、女性ファンを瞬く間に虜にしていきました。