ゲストが乗り込む小型潜水艇「ネプチューン号」は、ハッチを閉めて深海へと沈んでいくような感覚を鮮烈に与えてくれます。しかし、アトラクション全体が巨大な水槽の中に沈んでいるわけではありません。実際にはドライな屋内空間をライドが走行しており、ゲストが水に濡れない理由もこの極めて精巧な工学的トリックにあります。
搭乗口の窓に採用されているのは、特殊な二重構造のガラスです。このガラスの隙間にだけ本物の水が密閉されており、潜水開始の合図とともに下部からエア(気泡)を激しく噴出させます。窓の外側で泡が立ち上る様子と、船体の微細な振動、下降を模した効果音が組み合わさることで、人間の脳は「潜水艇ごと水中へ潜っていく」と完全に錯覚します。
さらに、窓の外に広がる深海の風景は、計算し尽くされたドライ環境のジオラマとライティングによって構成されています。浮遊感を演出する細かな埃の舞い散りや、サーチライトを当てた瞬間だけに浮かび上がる海底生物の質感など、ディズニーの特殊効果技術(イマジニアリング)の粋が集約されています。