日本年金機構が公表する給付実績のデータを見れば、現行の公的年金制度が抱える歪みが克明に浮かび上がる。平均寿命の延伸に伴い、給付期間はかつての想定を遥かに超えて長期化している。
日本経済新聞 電子版の経済リポートでも指摘されている通り、マクロ経済スライドによる実質的な給付額の抑制が進む一方、物価高の波が高齢者の家計を容赦なく直撃している。十分な企業年金や資産を持つ層と、基礎年金頼みで日々の生活費に汲々とする層との間には、残酷なまでの経済格差が横たわる。
「年金だけで逃げ切れる」という甘い見通しは、すでに過去の遺物となった。年金事務所の相談窓口には、受給額の目減りに戸惑う高齢者が連日列をなしている。