刑事裁判の公判において、最大の焦点となったのは「なぜ第一線で活躍していた表現者が闇バイト・特殊詐欺に手を染めたのか」という犯行動機の解明でした。法廷に現れた池田純矢受刑者は、かつての華やかなオーラを失い、憔悴した面持ちで証言台に立ちました。
公判の審理において明かされた主な事実は以下の通りです。
- 自主企画舞台の制作費負担と負債:自身が主宰する演劇ユニット「エン*ゲキ」シリーズなど、表現への強いこだわりから制作費が膨らみ、コロナ禍による公演中止・制限も重なって多額の個人的負債を抱えていたこと。
- 生活困窮と孤立:家族を養う経済的プレッシャーと資金繰りの行き詰まりから、正規の金融機関以外からの借入れや違法な金策に手を出してしまったこと。
- SNSを通じた闇バイトへの接触:短期間でまとまった現金を調達しようと、秘匿性の高い通信アプリを通じて特殊詐欺グループと接触し、指示役の命令に従って犯行に及んだこと。
弁護側は「主犯格に利用された従属的な立場であり、深く反省している」として執行猶予付き判決を求めましたが、検察側および裁判所は「被害者に直接対峙して欺罔行為を行った実行犯としての責任は極めて重く、特殊詐欺の根絶が叫ばれる社会情勢において実刑は免れない」と断罪。実刑判決が言い渡され、控訴することなく刑が確定しました。