言葉の成り立ちを紐解くと、ファンブル(英語:fumble)の語源は「手探りする」「不器用にいじる」「誤って落とす・取り落とす」という動詞にあります。これが明確なルール用語として確立されたのがアメリカンフットボールです。
アメフトにおけるファンブルのルールは、ボールを完全に保持してコントロールしていた選手が、タックルを受けたりバランスを崩したりして、パスやキック以外の形でボールを地面にこぼしてしまう状態を指します。ボールが地面に落ちた瞬間から両チームの全選手に確保権が生じる「ライブボール」となり、相手チームにリカバー(確保)されれば即座に攻守が交代する「ターンオーバー」に直結します。守備側にとっては最大のチャンスであり、攻撃側にとっては勝敗を分ける痛恨のミスとなるわけです。
この「取り返しのつかない致命的なポカ」という強烈なニュアンスが、1970年代以降に誕生した『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』をはじめとするテーブルトークRPGへ輸入されました。ダイス判定における通常失敗(Fail)と明確に区別された致命的失敗のゲーム用語として定着した歴史があります。
さらに現在では、ファンブルの意味はスラングとしてネットコミュニティや若者の日常会話に拡張。「大事なプレゼン資料を忘れて大ファンブルした」「告白しようとして相手の名前を間違える痛恨のファンブル」のように、単純なミスではなく「事態を著しく悪化させる自滅的ミス」「やらかし」の代名詞として定着しています。