『Part3』の看板パートとなった「フリーエージェントくん編」において、物語の推進力となったのが本郷奏多と白石麻衣(当時・乃木坂46)のコンビネーションです。
本郷奏多が演じた沢村真司は、派遣会社で日銭を稼ぐ鬱屈とした日々から、天生翔(浜野謙太)の「誰でも秒速で億を稼げる」という甘い言葉に触発され、ネットビジネスのピラミッドへ這い上がっていく野心的な青年。本郷は、純粋な青年が巨額の金を手にして傲慢になり、やがて虚飾のビジネスモデルに呑まれて精神的に追い詰められていくグラデーションを見事に体現しました。
一方の白石麻衣が演じた麻生りなは、タレントとしての成功を夢見ながらも、業界の理不尽や大人の事情に傷つくヒロイン。当時アイドルとしてトップを走っていた白石が、劇中で本郷奏多とのキスシーンや感情を爆発させるシリアスな演技に挑んだことは、ファンや映画関係者の間で大きな話題を呼びました。
当時の舞台挨拶やインタビューにおいて白石自身は、「『闇金ウシジマくん』という骨太な世界観に入るにあたり、覚悟を持って体当たりで挑戦した」と語っており、アイドルという枠を超えた女優・白石麻衣のターニングポイントとなった記念碑的役柄です。