近年、スポーツノンフィクションの分野では、アスリートの過剰なパフォーマンスと脳の多様性(ニューロダイバーシティ)の関係性を探る研究が活発化している。精神医学の現場でも、従来の診断名という枠組みではなく、人間の持つ尖った才能の一形態として発達障害の特性が捉え直されるようになった。
長嶋氏が見せた「試合中の極限状態における超感覚」は、まさに脳の配線が特定の刺激に対して爆発的に反応するシステムを持っていた証拠かもしれない。バット振りの練習に何時間も没頭し、周りの声が一切聞こえなくなるエピソードは、脳内のドパミン受容機能と深い関連があると分析されている。