食品のパッケージに記載される表示には、品質が保たれる目安である「賞味期限」と、安全に食べられなくなるリミットである「消費期限」の2種類が存在します。卵に適用されているのは賞味期限です。この卵の賞味期限と消費期限の決定的な違いを正しく把握することが、不要な廃棄を防ぎつつ食中毒を回避するための第一歩となります。
卵の賞味期限は、日本卵業協会が定めた算出基準に基づいて厳密に設計されています。この基準は、英国の食品微生物学者ハンフリー博士の研究データを基礎としており、「菌が急激に増殖を開始するまでの日数(インキュベーション期間)」から算出されます。具体的には、夏場の平均気温(28℃想定)で約16日間、春秋(23℃想定)で約25日間、冬場(10℃以下想定)で約57日間という数値が導き出されています。
市販のパック卵に印字されている日付(通常、採卵・パッキングから14日前後)は、最もリスクの高い夏場の生食可能期間をベースに通年で一律設定されています。つまり、冬場や冷蔵庫(10℃以下)で適切に保管されている場合、表記された賞味期限以降も内部の品質は一定期間保たれているという科学的根拠が存在するのです。