万次郎とその家系のドラマ性は、日本の映像エンターテインメントにおいても繰り返しスポットライトを浴びてきた。特に大きな転機となったのが、NHKの大河ドラマ『龍馬伝』である。
劇中で香川照之氏が鮮烈に演じたジョン万次郎像は、坂本龍馬をはじめとする土佐の志士たちに外の世界の広さと自由の概念を植え付けるキーパーソンとして描かれた。龍馬が世界へ目を向ける原動力を与えた男――そのリアリティ溢れる描写は、視聴者に強い衝撃を与えた。
大河ドラマ『龍馬伝』のヒット以降、時代劇・歴史エンターテインメント業界では、万次郎の波乱万丈な生涯やその子孫たちの歩みに着目した作品制作が一段と加速した。単なる冒険譚としてではなく、幕末の知の巨人としての万次郎と、彼の遺伝子を継いだ中濱家の歴史に対する探求心は、エンターテインメントの枠を超えて広がり続けている。