間取りを検討する際、平屋住宅を選ぶか2階建てにするかで、L字がもたらす空間のダイナミズムは大きく異なる。それぞれの構造的特性を理解したゾーニングが不可欠だ。
ワンフロアで完結する平屋住宅において、L字型はまさに理想的なレイアウトを描き出す。「パブリックゾーン(LDK)」と「プライベートゾーン(寝室・水回り)」をL字の両翼に明確に分けることで、家族間のプライバシーを保ちつつ、どの部屋からも中庭に直接アクセスできる贅沢な動線が完成する。段差のないバリアフリーな床面が庭へとフラットに連続する様は、平屋ならではの特権といえる。
一方、敷地面積に制約がある都市部の2階建てでは、L字の立体的な重なりを活用する。1階をL字にして中庭を囲みつつ、2階のボリュームをあえて一部後退させてルーフバルコニーを設ける手法が有効だ。上階からの視線抜けを確保しつつ、1階中庭へ十分な陽光を落とし込む。階層間の垂直動線と中庭を中心とした水平動線が美しく交差する設計が、都市型2階建ての満足度を決定づける。