2026年を迎えた現在、中韓関係は経済的な実利と安全保障上の防壁の間で極めて複雑な舵取りを強いられています。半導体やサプライチェーンを巡る米中デカップリングが進む中、韓国は最大の貿易相手国である中国との関係を完全に断絶することはできず、実務レベルでの対話を模索しています。
その一方で、韓国内の制度は明らかに「防衛的な厳格化」へとシフトしています。象徴的なのがビザや不動産取得に関する規制です。
現在、韓国政府は中国人に対するビザ発給要件をきめ細かく管理しており、観光目的の電子ビザや団体ビザの手続きにおいて、身元照会や財政能力の立証基準を維持しています。また、かつて問題視された済州島の不動産投資移民制度についても、投資基準額が従来の5億ウォンから10億ウォン(約1億円以上)へと倍増され、永住権付与のハードルが大幅に引き上げられました。インバウンドによる観光収入の回復を促しつつも、無秩序な資本流入や不法滞在を防ぐための境界線が厳格に引かれています。