バハ・カリフォルニアの過酷な砂漠地帯。年間降水量がわずか数十ミリという乾燥と強風の中、この植物は生き残るために独自の進化を遂げた。ペーパー状に薄く剥がれ落ちる白い樹皮は、激しい太陽光を反射して体温の上昇を防ぐ工夫だ。皮の下に見える鮮やかな緑色の組織は、葉が落ちた休眠期でも光合成を続けるための特別な生命維持装置である。
幹の内部は大量の水を含んだ水分貯蔵庫となっており、何ヶ月にもわたる干ばつを難なく耐え忍ぶ。しかし、その生長スピードは驚くほど遅い。幹の直径がわずか数センチ伸びるのに数年、時には数十年を要する。この圧倒的な「時間の積層」こそが、多くの人を惹きつけてやまない造形美の源泉なのだ。