ライブレポやネタバレ検証において最も議論を呼んだのが、大森元貴の歌唱力と表現の深化です。ツアー期間中、連日の猛暑やリハーサル過密日程によるコンディションの懸念が一部で囁かれる中、ステージ上で披露されたのは一切の誤魔化しを排した圧巻のフルスロットルボーカルでした。特に「コロンブス」や「ライラック」など、ハイトーンと複雑な譜割りが要求される楽曲群を、原曲キーのまま屋外の風が吹き抜ける空間へ真っ直ぐに響かせた光景は、ボーカリストとしての驚異的な身体能力と精神力を証明しました。
また、ステージ演出における変更点も見逃せません。初日の神戸公演から最終日の横浜公演にかけて、レーザーの照射角やファイヤーボール(特効火薬)の点火タイミング、巨大LEDスクリーンに投影されるモーショングラフィックスの同期スピードに至るまで、細やかなブラッシュアップが重ねられました。大森がインタビューや手記でしばしば語る「総合芸術としてのライブ表現」への執着が、巨大スタジアムという制御の難しい屋外空間においてもミリ単位で発揮されていたのです。