全国の昆虫ショップ店主やベテランブリーダーへの取材からは、飼育現場におけるリアルな課題とユーザーの意識変化が浮き彫りになっています。
都内の老舗インセクトショップのチーフブリーダーは、近年の現場状況を次のように語ります。
「夏休みになると『カブトムシのメスが卵を産まない』と相談に来られる親子連れが毎年いらっしゃいます。実際に持ってこられた虫を拝見すると、見事なクロカナブンやシロテンハナムグリであることが珍しくありません。カナブン自体も非常に魅力的で愛らしい昆虫ですが、産卵環境がカブトムシ用の発酵マットとは異なる(より腐葉土質を好む)ため、メス違いによる産卵失敗に落胆されるケースが多いのです」
また、大手知恵袋やコミュニティフォーラムの過去数万件のログ分析では、「メスだと思って捕まえた個体が翌日脱走した」という投稿が目立ちます。カナブン類は隙間をすり抜ける能力と飛行開始スピードがカブトムシよりも格段に高く、一般的な簡易プラスチックケースの空気穴やフタの緩みから簡単に逃走してしまうという現場ならではの盲点も確認されています。