昭和62年生まれをめぐる最大の誤解は、「バブル真っ只中に生まれたから、裕福な恩恵を受けて育ったのだろう」という世間のステレオタイプです。これは事実関係から見ても明らかな錯誤です。
昭和62年に生まれた子どもたちが小学校に入学した1994年は、すでにバブル経済が完全に崩壊した「失われた10年」の初期段階でした。父親世代の給与カットやリストラが現実化し、家計の引き締めを目の当たりにしながら育っています。さらに、2000年代初頭のITバブル崩壊や2008年の世界金融危機を学生時代に経験したため、金銭感覚は極めて堅実で、無駄な見栄や過剰消費を嫌うミニマリズム的思考が自然と身についています。
「ゆとり世代だから打たれ弱い」という言説も実態とは異なります。彼らは制度の実験台とされながらも、厳しい就職競争を勝ち抜いてキャリアを築いてきた世代であり、組織における危機管理能力や現場での粘り強さは歴代世代の中でも上位に位置します。