五宝の滝の真骨頂は、性質の異なる5つの滝が徒歩圏内に凝縮されている点です。滝巡りの中心となるのは、渓谷の前面にそびえる壮大な3連の滝です。
最上流に位置する「一の滝」は落差約44メートルを誇り、垂直に切り立った大岩壁を一気に流れ落ちる姿は圧巻の一言に尽きます。そこから間髪を入れずに続く「二の滝」(落差約23メートル)、そして水煙を上げて滝壺へと注ぎ込む「三の滝」(落差約13メートル)が連なり、合計落差約80メートルの大パノラマを形成しています。
整備された遊歩道を進み、赤い太鼓橋を渡ると展望台(見晴台)が現れ、3つの滝が一枚の絵画のように連なる雄大な姿を正面から一望できます。春から夏にかけての新緑のモミジと水飛沫のコントラストはもちろん、秋には渓谷全体が燃えるような朱色に染まり、息をのむ絶景が広がります。
メインの三段滝から山道を少し登った先にある「円明の滝」と「幽玄の滝」は、打って変わって静寂が支配する空間です。木漏れ日の中にひっそりと流れ落ちる水音は、まさに武蔵が求めた内省の境地を追体験させてくれます。