なぜ要人警護のプロフェッショナルであるSPや警察官が多数配置されていながら、手製銃を持った不審者の接近を許してしまったのか。この根本的な疑問に対し、警察庁は事件翌月に警察庁 警護検証報告書を公表し、警備の致命的な欠陥を公式に認めました。
報告書が指摘した大和西大寺駅 演説 警護体制の主な失策は以下の通りです。
- 後方の警戒空白:演説場所が大和西大寺駅北口のガードレールに囲まれた中洲状のスペースであったため、後方が360度開けた環境であったにもかかわらず、後方警戒の担当者が道路交通の整理や聴衆の動きに気を取られ、背後の警戒を完全に怠っていた。
- 配置変更の不徹底と情報共有の欠如:現場指揮官と担当SPの間で配置変更の意図が共有されず、山上被告が車道を横断して背後数メートルまで接近する間、誰もその不審な動きを認知できなかった。
- 初弾発射後の初動対応の遅れ:1発目の発射から2発目までの間隔は約2.7秒あったにもかかわらず、爆発音に対して即座に安倍元首相を押し倒す、あるいは防弾盾(ブリーフケース型シールド)を展開して覆いかぶさるといった身体防護行動が取れなかった。
この結果を受け、警察庁長官および奈良県警本部長が引責辞任に追い込まれ、要人警護に関する国家基準(警護要則)はおよそ30年ぶりに抜本改定されることとなりました。