川島町の中心部に広がる平成の森公園の歴史を紐解くと、1988年(昭和63年)に国が主導した「ふるさと創生事業」の交付金を契機として計画がスタートしました。事業費として約25億円が投じられ、3年の工期を経て1996年(平成8年)に開園した経緯があります。「平成元年」に基本計画が策定されたことから命名されたこの公園は、単なるハコモノ行政の産物にとどまらず、四半世紀以上を経た現在も町民や近隣住民の憩いの場として有機的に機能し続けています。
多くの来園者を驚かせる最大の要因は、公営公園の枠組みを遥かに超えたランドスケープの完成度にあります。敷地内を歩くと、定時に鐘の音を響かせるシンボルタワー「水と時の公園」や、町の花であるハナショウブが咲き誇る「ショウブ園」、さらには広大な芝生広場や修景池がバランスよく配置されています。散策路に沿って歩くだけで視界が次々と切り替わり、郊外特有の開放感と心地よい静けさを同時に味わうことができます。
そして、園内最大のハイライトが全長約340.5メートルにおよぶ「バラのトンネル」です。トンネルの骨組みに絡みつく約60品種・480株のつるバラが咲き揃う姿は壮観の極みであり、アーチの下に足を踏み入れた瞬間に全身を包み込む濃厚な芳香は、商業施設のガーデンにも引けを取りません。これだけの規模と景観美を誇りながら、入場料や駐車料を一切徴収しないという圧倒的な利便性が、口コミやSNSを通じて広がり、リピーターを生み出す強力な原動力となっています。