境界性パーソナリティ障害の恋愛には、特有の予測しがたいサイクルが存在します。このパターンを把握していないと、パートナーは際限なく相手の感情の乱気流に巻き込まれ続けることになります。
交際が安定しかけると頻発するのが「試し行為」です。深夜に「今すぐ会いに来てくれないなら別れる」「私のことなんてどうせ好きじゃないんでしょ」と無理難題を突きつけたり、自傷行為を匂わせたりして相手を極限まで追い詰めます。この行為の深層心理にあるのは、「ここまで理不尽な要求をしても、この人は自分を見捨てないか」という残酷な安全確認です。無条件の愛を渇望するあまり、自ら関係を破壊しかねないリスクを冒して相手の忠誠心を試さずにはいられません。
さらに周囲を当惑させるのが「突然の別れ」とその後に繰り返される「復縁」の連鎖です。自分が相手に見捨てられる恐怖に耐えきれなくなった結果、「見捨てられる前に自分から捨ててやる」という心理が働き、前触れもなく関係を断ち切ったり連絡先をブロックしたりします。ところが、いざ完全に孤立すると凄まじい虚無感と見捨てられ不安に耐えられなくなり、何事もなかったかのように涙ながらに復縁を懇願してきます。この執着と拒絶の往復ビンタこそが、パートナーの精神を極限まで摩耗させる元凶です。